雑学ぼっくす

2017.07.19|No.339

道の途中で階段になっている国道がある

 国道に沿って車を走らせると途中で階段が現れる国道が、青森県にある。

 青森県弘前市から外ヶ浜町に至る国道339号線の、外ヶ浜町の竜飛岬の近くに、その道路はある。竜飛岬といえば、石川さゆりの『津軽海峡・冬景色』で歌われている岬だ。

 地域住民や道路ファンからは「階段国道」と呼ばれ、道路脇に立てられている国道339号線の標識には「階段国道」の補助標識が付けられている。

 階段は全長388.2メートル、標高差70メートル。全部で362段ある。さらに、階段を下った先は住宅街の狭い路地を通る。玄関のドアを開けると国道が封鎖されてしまうほどだ。

 階段と住宅街の区間はかつて村道として作られた。後に県道に昇格し、1975年、そのまま国道339号線に指定された。背景には、当初は青函トンネル工事のためのバイパス道路を作る計画があり、バイパス道路の開通に合わせそちらを国道に指定するまでの暫定措置だったとする説があるが定かではない。

 階段区間と住宅街の区間は車両の通行はできないため、車両はこの区間をショートカットするように通っている一般道を通ることになる。一般道が整備された時には、こちらを国道に指定する動きもあった。だが、既に「階段国道」として知られるようになっていたため、地元住民らが反対し、変更されることなく現在に至っている。