トランプを半分に分けて正確に8回シャッフルすると元の順番に戻る

|No.312

 トランプを2つの山に分けて左右に置き、端同士を交互に噛みあわせる「リフルシャッフル」を正確に8回繰り返すと、元の順番に戻る。

 このシャッフルは「パーフェクトシャッフル」と呼ばれる。トランプ52枚を上半分と下半分から取った26枚ずつの山にきっちり分け、シャッフル前に一番上にあるカードをシャッフル後も一番上に置いて正確にシャッフルを行う。1つの山から2枚が重なることなく1枚ずつ交互に噛み合わせる技術が必要で、これを8回すべてミスすることなく行わなければならない大変な技だが、トランプを使うマジシャンの間では基礎とされる技だという。

 1回のシャッフルで、1、2、3番目のカードは1、3、5番目に、27、28、29番目のカードは2、4、6番目に移動する。ゆえに、n番目のカードは、2(n-1)を51で割ったときの余りに1を加えた、[2(n-1) mod 51] + 1番目に移動することになる。なお、一番上と一番下のカードの位置は変わることはないため、間のカード(1<n<52)についてのみ考えれば良い。

 m回シャッフルすると、n番目のカードは[2^m(n-1) mod 51] + 1番目に移動する。m=8のとき[2^8(n-1) mod 51] + 1となるが、2^8 = 256 = 51×5 + 1なので、「2^8(n-1)」の部分は「51×5(n-1) + (n-1)」と変形できる。また、51×5(n-1)は51で割り切れる。ゆえに、8回シャッフルすると、n番目のカードは[(n-1) mod 51] + 1番目に移動するとも言える。この式はシャッフル前の配置と全く同じであることを意味し、8回シャッフルすると元に戻ることがわかる。