「別腹」は実在する

|No.290

 お腹いっぱいでもう食べられないと思っていたが、甘いデザートは食べられてしまう―。いくら満腹でも好きなものは「別腹」だ。「いやいやお腹は一つしかないだろう」と思う人もいるかもしれない。しかし、この「別腹」は実在する。

 別腹は、食欲をコントロールする「オレキシン」というホルモンが関わっている。オレキシンは脳の視床下部から分泌される。

 好きなものを見て食べたくなると、オレキシンが分泌され、胃や消化管が活発に動き、先に食べたものを小腸へと押し込んでいく。これにより満腹だった胃の上のほうに空間が出来上がる。これがいわゆる「別腹」である。