富士山の5合目は場所によって約1000メートルも差がある

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 吉田口、富士宮口、須走口、御殿場口と4つの登山口があり、いずれも5合目(または新5合目)付近までは車で行ける富士山だが、同じ「5合目」でも登山口によって標高は異なる。最も高い富士宮口は2380メートル、最も低い御殿場口は1440メートルと、その差は1000メートル近くもある。

 そもそも「合目」は、標高の何割だとか、登山道の距離の何割だとかを表す単位ではない。傾斜や道の状態など険しさを元にした、頂上まで登るための難易度に重きを置いた単位である。つまり、麓から登り、5合目に到達したら半分の、8合目に到達したら8割の難易度を攻略したことになる。ただし、あくまで感覚で付けられたものであり、個人差があるのは言うまでもない。

 また、吉田口までの1合目は1520メートル。その手前の、馬で行ける限界の場所で「0合目」とも呼ばれる「馬返し」は1450メートルと、御殿場口5合目よりも高い。その分、吉田ルートの難易度は比較的易しいと言える。

 ちなみに、3776メートルの最高地点へ行くには、各ルートの頂上とされる場所からさらにお鉢めぐりをして剣ヶ峰まで行く必要がある。比較的近い富士宮ルート、御殿場ルートの各頂上からは約20分ほどかかる。