「けりをつける」の「けり」は和歌や俳句で見かける助動詞の「けり」

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 物事に決着をつけて終わりにすることを意味する「けりをつける」。この「けり」は、別に「蹴って終わりにする」という意味ではない。和歌や俳句でよく見かける助動詞の「けり」である。

 「百敷や古き軒端のしのぶにも なほ余りある昔なりけり」(順徳院)、「赤とんぼ筑波に雲もなかりけり」(正岡子規)―。和歌や俳句では、文の終わりに助動詞の「けり」がよく使われる。「けり」は「~だなあ」という詠嘆や、「~だった」という過去を表す。

 このことから、物事の終わりを迎える、物事の決着をつけるという意味で「けりをつける」という言葉が生まれた。