視力検査のC型のマークの名前は「ランドルト環」

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 視力検査で使われる、「C」の形をした輪の切れたマークの名前は「ランドルト環」という。

 このマークを発明したフランスの眼科医、エドマンド・ランドルトの名に由来する。円弧の幅と輪の開いている幅は同じで、円環全体の直径の5分の1の大きさ。1909年、イタリア・ナポリで開かれた国際眼科学会で世界共通の視力検査の標準として採用された。

 視力検査では、別々の2つの点をにじまずに見分けられる能力(最小分離角)を測っている。2つの点と片目の間にできる三角形の角度が1分(60分の1度)なら視力1.0と定義し、角度によって視力が変わる。ランドルト環であれば、円弧の幅と輪の開いている幅がそれぞれ1.5ミリで、直径7.5ミリの円環が5メートル離れたところから見分けられれば視力1.0となる。

 ただし、視力検査で「これは?」と尋ねられても、名前を聞いているわけではない。「ランドルト環」ではなく、輪の切れている方向を言ってほしい。