電気自動車はガソリン車よりも早く発明されていた

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 近年、資源制約や環境問題への関心の高まりを背景に注目を集める電気自動車。1873年には既に発明されていた。ガソリン車が登場する12年も前のことだ。

 イギリスのロバート・ダビッドソンが発明した。静かで快適だと、イギリスでは広く普及した。

 1899年には自動車として世界で初めて時速100kmを超えた。だが、翌年に皇太子殿下(後の大正天皇)から「自動車とはずいぶん遅いものである」とのお言葉をいただいたという記録が残っている。

 この年、殿下のご成婚を祝い、サンフランシスコの日本人会から電気自動車が贈られた。宮内省関係者がこの電気自動車を皇居の周りで試運転した際、三宅坂付近で通行人にぶつかりそうになり、ハンドルを切ったところお堀に落ちてしまった。

 幸い、自動車は壊れなかったため、その後のお披露目会に登場。このとき、安全のため慎重に運転したため、殿下から「ずいぶん遅い」と言われてしまったのだ。

 日本に初めて入ってきた自動車は、この2年前の1898年、フランス人技師のテブネが同国のパナール・ルバッソール社製のガソリン車とされる。

 また、自動車の歴史としては、最も古いのは蒸気自動車だ。フランスのキョニューが1769年、蒸気式の三輪自動車を作った。