ゴリラが胸を叩くときの手はグーではない

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 ゴリラのまねをするとき、両手をグーの形に握って、胸を交互に叩くしぐさでまねされることが多い。だが、実際にはゴリラが胸を叩くときの手はグーではない。

 「ドラミング」と呼ばれるこの行為は、映画『キング・コング』などの影響で相手を威嚇する行動と誤解されがちだが、実際は好奇心を持ったときや興奮したときに気持ちを表すため、自分の存在をアピールして争いを避けるために行われる。そのときのゴリラの手をよく見ると、両手をパーの形に開いて叩いている。

 ゴリラの胸の皮膚の下には息を溜める大きな袋があり、ゴリラはそこを叩いて音を鳴らしている。叩くといえばグーの手を連想しがちだが、太鼓のような構造なのでパーで叩いた方が響きやすい。音は2キロメートルほど先まで響くという。