804枚の駒を使う将棋がある

　一般に40枚の駒を使って対局を行う将棋。だが、駒を804枚使うものもある。

　その名は、大局将棋。江戸時代に考案されたとされる。

　一般的な将棋、本将棋では9×9の81マスの将棋盤の上で行うが、大局将棋は36×36の1296マスの将棋盤の上で行われる。自分側の11段が自陣、相手側の11段が敵陣となり、敵陣に入ると一部の駒を除いて「成る」ことができる。以下が804枚の駒の初期配置だ。

　本将棋で使う駒は8種類だが、大局将棋では209種類の駒が使われる。また、持ち駒のルールはないため取った駒を再度使うことはできない。

　成ることができる駒のうち、飛鷲、角鷹、角将、車兵がそれぞれ成った大鷲、大鷹、霖鬼、四天王は、駒をいくらでも飛び越えて走ることができる駒となる。序盤ではこれらの駒を成らせることが戦略の基本となる。

　本将棋でも使われる8種類の駒の動きは、玉将が全方向に2マス動けるようになる以外は本将棋と同じ。成ったときの動きは、飛車と角行がそれぞれ成った竜王、龍馬は本将棋と同じだが、銀将は成ると縦に何マスでも動けて横に1マス動ける「竪行」に、桂馬は横に何マスでも動けて縦は前方2マス後方1マスまで動ける「横兵」に、香車は縦と斜め上に何マスでも動ける「白駒」に成る。本将棋では成らない玉将は大局将棋でも成らないが、金将は成ることができ、飛車に成る。歩兵が成ったときの動きは同じだが名称はと金ではなく金将となる。

　本将棋では玉将（王将）を詰ませた方が勝ちとなるが、大局将棋では玉将の他に「太子」という駒があり、どちらか一方の駒が取られたとしても、いずれか1枚が残っていれば継続。玉将と太子をどちらも詰ませた方が勝ちとなる。