縁起の良い初夢を表す言葉「一富士二鷹三茄子」には続きがある。
その続きとして最も有名なのは、「四扇五多波姑(タバコ)六座頭」というもの。漢学者の太田全斎が著した『俚言集覧』に書かれている。
江戸時代、縁起が良い日に行う宴会では、踊りをするときの扇、芸者たちが吸うタバコ、弾き語りをする座頭が不可欠だった。「続き」はこれに由来するとされる。
「四扇五多波姑六座頭」は、「一富士二鷹三茄子」とそれぞれが対応しているという説もある。富士と扇は末広がりで子孫や商売などの繁栄を、鷹と多波姑は飛んだり煙が上がったりと上昇するので運気上昇を、茄子と座頭は毛がないので「怪我ない」の洒落で家内安全を表す。
一方、「一富士二鷹三茄子」は東京・駒込の様子を表した言葉とされる。江戸時代、富士信仰の拠点の一つだった駒込富士神社の周辺には鷹匠屋敷があり、駒込茄子が名物だった。また、徳川家康の好きな物を並べたものとする説もある。