クララは「クララが立った」よりも前に立っている

情報提供: 岡埜克哉 様||No.14

 『アルプスの少女ハイジ』の第50話『立ってごらん』では、足を悪くして車椅子で生活していたクララが、勇気を振り絞ってハイジの目の前で初めて立ち上がり、ハイジが「クララが立った」と言う有名なシーンがあるが、実はクララはこれよりも前に、既に立っている。

 該当のシーンがあるのは、第48話『小さな希望』。クララは小屋の近くの木のそばでおばあさまに本を読んでいたが、おばあさまは途中で居眠りしてしまう。その後、クララの元に一匹の牛が近づき、おばあさまはクララの悲鳴で目を覚ました。クララは座ったまま後ずさりし、そのまま立ち上がって木に寄りかかる。これがクララが最初に立ったシーンである。また、おばあさまはこの時、「クララが立った」と発言した。

 その後のシーンで、ハイジは、おじいさんとおばあさまから、クララが立ったことを知らされる。ハイジは「ヨーゼフ、クララが立ったのよ」と喜び、涙を流す。

 この話が、第50話のシーンに繋がる。ハイジの「クララのバカ!何よ意気地無し」というセリフは、ハイジが、クララが立てることを知っていたために出た言葉なのだ。