どんぶり勘定の「どんぶり」は食事のときに使う器ではない

|No.305

 いい加減でおおざっぱな勘定のことを「どんぶり勘定」という。ご飯を盛る器と収支がどう関係するのだろうと考えてしまうが、この「どんぶり」は食事のときに使う器のことではない。

 「丼」は、食事のときに使う器もそうだが、厚手で深い器全般に対して使われる。

 中でも、どんぶり勘定の丼は、職人が腹に巻いている大きなポケットがある腹掛けのことだ。中に煙草や小銭などを入れ、ウエストポーチのように使う。

 職人たちがそこからお金を無造作に出し入れしていたことから、「どんぶり勘定」という言葉が生まれた。