江戸時代以前はどんなに素晴らしくても拍手されることはなかった

|No.303

 江戸時代以前の日本では、歌舞伎や能でどんなに素晴らしく、感動できる場面だったとしても、拍手されることはなかったという。

 それもそのはず、江戸時代以前の日本では拍手の文化がなかった。拍手が日本に伝わったのは明治時代。それ以前は神社で柏手(かしわで)を打つことはあっても、拍手はされなかった。

 人類が相手を褒め称える意味で拍手をする行為を生み出したのは古代ギリシャ人で、紀元前5世紀のこととされる。この頃、演劇が誕生し、古代ギリシャ人は拍手をして芝居の出来を褒めたり感動の意味を表したりしていたという。

 古代ギリシャ人にとって手は人間の器官の中で最も上等だとされている。手を叩くことは相手を最も称える行為として行われた。