日本で初めてネクタイを締めたのはジョン万次郎

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 日本人で初めてネクタイを締めたのは、翻訳家のジョン万次郎(中濱萬次郎)だった。

 ジョン万次郎は1841年、鰹漁の際に遭難し、アメリカの捕鯨船に救助され渡米。1851年に帰国した。その際、ネクタイ3本を持ち帰り、日本にネクタイが伝わった。このときの所持品目録の中にも「白鹿襟飾三個」と書かれている。

 1884年に帽子商の小山梅吉が国産のネクタイを初めて生産。大正デモクラシーで洋服が普及すると、一般市民に広まった。

 ネクタイは2世紀初頭、ローマ兵士たちが防寒のために首に巻いたウールの布が起源とされる。戦地へ向かう兵士たちのお守りとして妻や恋人たちが贈った。

 装飾品としては、17世紀後半、オーストリア・クロアチア兵が首に巻いていた布をヒントに闘志をアピールするファッションとしてネクタイの原型が考案され、ルイ14世によりフランス国内で流行した。19世紀にはイギリスに伝わり、「ネクタイ」の言葉が生まれた。