「マナー」はもともと手を使う作法のみに使う言葉だった

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 「マナー」という言葉はもともと、手を使う作法のみに対して使う言葉だった。

 語源はラテン語で「手」を意味する「manus」と、文字通り「手」だ。マナーといえばテーブルマナー。ナイフとフォークを使うときは手で持つ。

 手の作法のみに対して使う言葉だったが、転じて、公共に対する立ち振る舞いの礼儀作法を意味するようになった。携帯電話のマナーモードの「マナー」といった使い方は、広い意味でのマナーと言えよう。

 一方、「エチケット」も礼儀作法を意味するだが、こちらは礼儀作法全般を指す言葉である。エチケットは「札」を意味するフランス語。通行札や注意書きの立て札が転じて、個人に対する気遣いの礼儀作法を意味するようになった。