二宮金次郎像が読んでいる本は『大学』

|No.272

 全国各地の小学校に建てられている二宮金次郎像。昭和初期から、彼の勤勉さが小学生のお手本にふさわしいと建てられてきたが、老朽化が進んだことと、近年は「歩きながら本を読むのは危ない」という声が少なくないこともあり、各地で撤去が進んでいる。そんな二宮金次郎像が読んでいる本は『大学』というタイトルである。

 像は、弟子の富田高慶が著した二宮金次郎の伝記『報徳記』を元に作られた。その中に「採薪の往辺にも大学の書を懐にして」という一節がある。

 『大学』は、曾子が書いたとされる儒教の入門書。儒家に必要な自己修養が書かれている。

 貧しい農民の子供として生まれた二宮金次郎だったが、勉強しながら朝から晩まで働き、遂には武士になるまで出世。農地改革に尽力した。