エイプリルフールは13年に一度、嘘を言ってはいけない

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 一年でたった一日、4月1日は「エイプリルフール」と呼ばれ、嘘をついても良い日である。だが、13年に一度は、反対に嘘をついてはいけない。

 エイプリルフールの起源は諸説あるが、1564年にフランスで起きた改暦を巡る騒動を起源とする説が最も有力とされる。フランスではそれまで、キリスト受胎告知日の3月25日を新年とし4月1日まで春の祭りを開催していたが、フランス国王のシャルル9世は、復活祭の日の1月1日を新年とする「ルシヨンの勅令」を出した。だが、一部の国民がこの改暦に反発。4月1日を嘘の新年として祝い、騒ぎ始めた。

 この事態に憤慨したシャルル9世は、嘘の新年を祝った国民全員を逮捕し処刑するよう命じた。その中には、まだ13歳だった少女もいたことがわかり、あまりの冷酷さに国民は衝撃を受けた。フランスではこの事件を風化させないために、その後も毎年4月1日になると嘘の新年が祝い続けられた。これがエイプリルフールの起源とされる。

 この時、13歳という少女の年齢にちなみ、事件が起きた1564年から13年ごとのエイプリルフールは、嘘をついてはいけない日とする風習も生まれた。だが、この風習は時代が進むにつれ、また世界中に広まるにつれ消えてしまった。なお、次は2019年がこれにあたる。

 一方、起源となったフランスでは現在、紙に書いた魚の絵を切ったものをこっそり背中に貼る、「4月の魚(ポワソンダブリール)」と呼ばれる風習が4月1日に行われている。