大分県の中には「USA」がある

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 大分県の北部にはUSAがある。USAと言っても、United States of Americaの略ではない。ローマ字で「USA」と書く都市、宇佐市が大分県には存在するのだ。

 「宇佐」の名は、同市にある全国八幡宮の総本社、宇佐神宮に由来する。宇佐神宮は725年に造営。アメリカが建国した1776年の1000年以上も前のことである。967年に施行された延喜式では宇佐郡が置かれ、地名としての宇佐が誕生。1878年には郡区町村編制法により、行政区画としての宇佐郡が発足した。また、1967年には同郡の宇佐町など4町が合併し宇佐市が発足。現在の宇佐市は2005年の合併で発足した。

 その歴史から、市内産の商品を「MADE IN USA」として売り出そうとした際にアメリカからクレームが来たが、当時の市長が「うちはアメリカが建国する遥か昔からUSAだ」と反論したという都市伝説も存在する。

 宇佐市は、焼酎の「いいちこ」を製造する三和酒類の本社があり、第35代横綱、双葉山の出身地。また、養殖どじょうの生産量日本一を誇る。

 中心駅は日豊本線の宇佐駅。北海道テレビの番組『水曜どうでしょう』のファンの間では、大泉洋が、音の響きの良い豊前長洲なる駅が隣駅であることに着目し「アメリカの次はぶぜんながす」と発言したことで知られる。

 同駅の駅名標は2016年1月に新調され、中央に、赤色の縞模様でデザインされた宇佐神宮と、紺地に白抜きで「八幡総本宮 宇佐神宮」の文字が描かれたイラストが配置された。遠くから見るとまるでアメリカの国旗、星条旗のように見える。