西郷隆盛像は犬の散歩をしている姿ではない

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 東京・上野にある西郷隆盛像。浴衣姿で犬を連れている姿をしているが、別にのんびり犬の散歩をしている姿というわけではない。

 銅像の腰には、刀と紐が下がっている。これはウサギを捕まえるための罠に使うものだ。さらに、犬は薩摩犬という品種で、ウサギ狩りを得意とする。銅像は、ウサギを捕まえに行く姿をもとに作られた。

 ちなみに、銅像は間違いなく本人だという証拠がない。西郷さんは写真を撮られるのが大嫌いだったからだ。西郷隆盛の銅像は高村光雲の手により作られ、亡くなった21年後の1898年に除幕式が行われた。西郷さんの妻は式で、薩摩弁で「うちの主人はこんな人じゃなかった」と言ったという。

 さらに、犬の「ツン」は実際はメスだが、銅像ではオスの犬となっている。ツンの銅像は後藤貞行の手により作られた。