海底に設置されている郵便ポストがある

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 和歌山県すさみ町には、海面下10メートルの海底に設置された郵便ポストがある。

 すさみ郵便局長の発案で、同町マリンスポーツフェスティバル実行委が枯木灘海岸から100mの位置に設置。同町で1999年4月から9月まで開催された「南紀熊野体験博」のイベントの一環だったが、イベント終了後も残された。2002年には「世界一深いところにあるポスト」としてギネス記録に認定された。

 郵便法では、海中にある時点では郵便物としてみなされない。そのため、ポストに投函されたハガキは、海岸沿いに店を構えるダイビング用品店「クラブノアすさみ」が毎日回収し、同局に渡している。毎年平均約3000通が投函されているという。

 ポストは円柱形の丸ポスト(郵便差出箱1号)で、老朽化が激しく、ボランティアダイバーらの手によって1年ごとに取り替えられている。

 投函するハガキは、一般的な紙では当然濡れてしまい送ることができないため、通常は専用はがきを使用する。ダイバーが水中での筆談用に使う紙で作られた「コポ250」という商品で、回収を行う「クラブノアすさみ」で購入できる。切手代込みで1枚170円。