ルームランナーはもともと拷問器具だった

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 フィットネスクラブなどにある、ランニングやウォーキングを行う「ルームランナー」。英語では「トレッドミル」と呼ばれるこの健康器具は、もともと刑務所の拷問器具として使われていた。

 1817年にイギリスの刑務所で導入。1865年に改正されたイギリスの監獄法では、16歳以上の囚人は最初の3ヶ月間、トレッドミルを使った懲罰を受けなければならないと定められていた。看守が許可するまで、囚人は永遠に走らされ続けた。

 当時は、上についた手すりに掴まって、大きな歯車のような形をしたベルトの上で歩くという仕組みだった。

 これを元にした、心臓や肺の疾患を診断するための医療器具の開発がワシントン大学で行われ、1953年に発売された。1968年、有酸素運動としてのエアロビクスを提唱したアメリカの運動生理学者、ケネス・クーパーが、エアロビクスの一つとして利用価値があるとの調査結果を発表。話題を呼んだことで家庭向けの健康器具としての開発が進められ、普及していった。