「水入りペットボトルで猫が近寄らない」はエイプリルフールのネタ

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 庭に水を入れたペットボトルを置いておくと、猫が怖がって近づかないという話がある。「太陽光が反射してキラキラ光る水入りペットボトルを見ると猫は方向感覚が麻痺するため近づきたがらない」というもっともらしい理由も巷にはびこっているが、この話は全くのデタラメである。

 実はこの話、ニュージーランドの園芸師、エイオン・スカローがエイプリルフールに自身のラジオ番組で発言した嘘が発祥。同番組中に発言した「水を入れたペットボトルを芝生に置いておくと犬が近寄らない」という嘘がニュージーランド中に広まった。スカローは2009年、TVNZの取材に対し、発言は嘘であることを認めた。

 都市伝説の概念を広げた第一人者でアメリカの民俗学者、ジャン・ハロルド・ブルンヴァンは、著書『くそっ!なんてこった』の中で、1988年にニュージーランドを訪れた際、「どこへ行っても、きちんと手入れされた芝生のあちこちに、水の入った1.25リットル入りの清涼飲料水のプラスティック容器が置かれているのが目についた」と、思い出を語っている。

 当時は「水を満たした容器を芝生の上に置いておけば、通り過ぎる犬が糞をするのを防げる」とされ、「犬は自分の飲み水を汚さない」というもっともらしい理由も巷にはびこっていた。瓶を使う例もあったが、割れないペットボトルの方が手軽で便利だと好まれた。

 1994年7月2日付の日本経済新聞夕刊によると、日本に伝わったのは1993年あたりから。東京都内の街角に突如出現し、日本では猫対策として、口コミで広まった。太陽光が反射して近づきたがらないという理由で広まったため、日が経つと水が濁って効き目が減るのでこまめに水を替えるという住民もいたという。

 一方、水入りペットボトルが太陽光を反射しやすいのは事実で、水入りペットボトルが虫眼鏡のような役割をし、太陽光が一点に集中することで収れん火災に発展する恐れもある。実際に事故も起きており、東京消防庁などは注意を呼びかけている。猫を近づかせたくないのであれば、市販の忌避剤を使用したほうが懸命だ。