雑学ぼっくす

2015.02.04|No.163

割り算九九もある

 「九九」といえば普通掛け算九九のことを指すが、江戸時代には割り算九九も教えられていた。

 割り算九九は複数の種類がある。その中で特に有名なのが、中国で発明され、和算家の毛利重能によって日本で広まり、珠算のために使われていたもの。「八算」とも呼ばれる。

 掛け算九九はどの段でも、掛ける数が1から9までの9通りの式がある。一方、割り算九九は割る数が10の倍数で、割られる数が1から9、または割る数と割られる数が同じ場合しかない。

 また、掛け算九九は書けられる数の値を段の名前にしているが、割り算九九は割る数の方を段の名前にしている。例えば8の段なら、10÷8=1余り2を表す「八一下加二」に始まり、「八二下加四」「八三下加六」「八四天作五」「八五六十二」「八六七十四」「八七八十六」「八進一十」と続く。

 表現は、商が割り切れるか否か、割り切れない場合は割られる数の10の位と商が一致するか否かで異なる。

 割り切れる場合は、割る数、割られる数、「天作」(5の段は「倍作」)、商の順に言う。例えば、40÷8=5なら「八四天作五」となる。

 割る数と割られる数が同じ場合は、割られる数、「進」、商、「十」の順に言う。例えば、8÷8=1なら「八進一十」となる。

 割り切れず、かつ、割られる数の10の位と商が一致する場合は、割る数、割られる数、「下加」、余りの順に言う。例えば、30÷8=3余り6なら「八三下加六」となる。

 割り切れず、かつ、割られる数の10の位と商が一致しない場合は、割る数、割られる数、商、「十」、余りの順に言う。例えば、50÷8=6余り2なら「八五六十二」となる。

 余談だが、足し算九九や引き算九九もあり、これらも江戸時代に教えられていた。現代でいう百ます計算のことである。